都市生活において最も贅沢な価値である「プライバシー」を、建築的な美しさで確保する。
白亜の建物を際立たせるのは、計算されたグレーと黒の水平ライン。
視線を遮るフェンスと堅牢なゲートで敷地全体をクローズすることで、街の喧騒を完全にシャットアウト。
装飾を削ぎ落としたミニマルな構成が、住まい手の防犯意識の高さと、洗練された美意識を無言のうちに語ります。
強固なセキュリティの内側に用意したのは、帰宅する家族の心を解きほぐす「余白」の空間。
アプローチ階段の脇には、割栗石と植栽を組み合わせたドライガーデンを配置しました。
無機質な素材の中に一点の有機的な彩りを添えることで、緊張感から安らぎへと、心地よい心のスイッチの切り替えを促します。