「地形の課題をクリアにし、景観と調和するファサードを」
土地の形状により、雨水が建物側へ流れてしまう「逆勾配」のリスクを抱えた敷地条件。物理的な排水問題を解決しつつ、デザイン面での妥協はしたくないというご要望でした。
また、敷地内に点在する既存設備(ゴミ置き場等)との視覚的な連続性を保ちながら、玄関周りを「邸宅の顔」として美しく整える、機能と美観の高次元でのバランスが求められました。
土地の制約を開放する
「フラット」な機能美

傾斜(勾配)に依存しない「透水性コンクリート」を採用することで、逆勾配の土地でもフラットで美しいフロアラインを実現。雨水は瞬時に地面へと還り、建物への浸水リスクをゼロに。
フェンス計画においては、既存設備と素材感をリンクさせつつ、高さを変えてリズムを生み出すことで、機能的な目隠しを「意匠性のあるスクリーン」へと昇華させました。
施工ギャラリー
※左右にスワイプしてご覧いただけます
プロのこだわり
逆勾配を「美しさ」に変える技術選定
通常の土間コンクリートでは排水のために傾斜が必要となり、居住性が損なわれます。今回は「透水性素材」を用いることで、あえて勾配を排除。
地面とフラットに納めることで空間を広く見せつつ、アクセントとして配置したインターロッキングのラインが、駐車ガイドとしての機能とモダンな表情を両立させています。

「隠す」のではなく「整える」フェンス設計
既存の設備フェンスと全く異なる素材を使うと「継ぎ接ぎ感」が出てしまい、品格を損ないます。
あえて同メーカー・同色を選びつつ、高さとデザインパターンを微調整。既存部分を風景の一部として取り込みながら、プライバシーエリアを明確に区分けする、計算されたゾーニングを行いました。

理想の外構を、「賢い選択」で手に入れる
「土地の条件が悪い」「予算内でこだわりたい」。
そんな難題をクリアするための、プロの視点とノウハウを詰め込んだ「失敗しない外構ガイドブック」を無料公開中です。
※ダウンロード不要。ブラウザでそのまま読めます。
地形の悩みが、自慢のアプローチに変わりました
家の構造上、雨水が溜まりやすいことが長年の懸念でしたが、提案いただいた特殊な施工方法のおかげで、大雨の日でも驚くほど快適です。
また、既存のフェンスとの兼ね合いも絶妙で、「最初からこうだった」かのような一体感に感動しました。こちらの拙いスケッチから、機能も美しさも兼ね備えたプランを汲み取っていただき感謝しています。
エクステリアプランナー
「逆勾配」という難しい条件は、裏を返せば「フラットな床面を作れる」というデザインのチャンスでもあります。
機能的な解決はもちろん、毎日目にするフェンスやアプローチの質感にこだわることで、ネガティブ要素をポジティブな空間演出へと転換しました。泥はね対策も含め、長く美しく使っていただける自信作です。





