あえて「囲わない」という贅沢。
私たちが提案したのは、街並みに対して閉ざすのではなく、敷地全体をひとつの美しい「余白」として開放するオープン・スタイルです。
視界を遮る高い壁を取り払い、ホワイトとグレーの無機質なベースカラーに、繊細なブラックのライン(手摺)を配置。
そのミニマルな構成が、境界線を曖昧にしながらも、邸宅としての品格あるテリトリーを静かに主張します。
物理的な壁ではなく、「ライン」と「素材の変化」で境界を描く手法。
足元に添えた低層の植栽帯は、季節の移ろいを告げると同時に、道行く人へのささやかなギフトとなります。
必要な機能だけを残し、装飾を極限まで削ぎ落とすことで生まれた、風と光が通り抜ける洗練のファサードです。