リビングの窓を開け放った瞬間、室内と庭がひとつの空間として溶け合う。
私たちが目指したのは、単なる「屋外スペース」ではなく、住まい手の意識を外へと拡張させる「中間領域」の創出です。
白を基調としたミニマルな建築美に対し、あえて黒のフレームで構成されたルーフを挿入。
そのコントラストが空間を引き締め、空の下で過ごす開放感と、屋根の下にいる守られた安心感を同時に叶える、上質なラウンジ空間を描き出しました。
L字型に広がるデッキは、エリアごとに「食事」「寛ぎ」「動線」と緩やかに役割を定義。
隣地からの視線が気になる方向には、圧迫感のないダークトーンのスリットスクリーンを配置し、プライバシーを確保しつつ風が通り抜ける設計としました。
日中は陽の光を浴びる特等席として、夕暮れ時は陰影を楽しむバーテラスとして。
機能性を超えた「過ごすことの豊かさ」をデザインした、邸宅におけるもう一つの主役です。